2014-01-01から1年間の記事一覧

今尾景年は妖怪画を描かない。――『名家歴訪録』(1901年)

忘れそうなので書いておく。 黒田譲『名家歴訪録』(1901年)の「今尾景年氏」の章で、明治29年12月23日、黒田譲(天外)に今尾景年本人が自己の経歴をインタビュー形式で語った下りで以下のようにある。 ……それで私も幼年の時から、絵が大好で厶いまして、十…

新渡戸稲造の教育的妖怪論――「妖怪改良の説」(1906年)

Twitterにちょろっと連投したツイートの再編集版まとめ記事です。 新渡戸稲造に、「妖怪改良の説」という3ページばかりの文章がある*1。明治39年(1906)に雑誌『さをしか』に発表された。 書き出しこそ、「妖怪の談は何れの国にも伝はつて居るが、その国民の…

【妖怪メモ】蛇蓮

備忘録的に。 『石川県河北郡誌』(1920年)に次のようにある。 蛇蓮。 現今小坂村字千田に属する天王の森の北方に坊地と称する所あり。是れ即ち往昔三光寺と称へられたる光徳寺・光琳寺・光専寺の旧跡にて、其の付近に狐山と称する所あり。其地に大蛇ありしに…

妖怪をテーマとした展覧会はどのくらい増えているのか

今回は時事ネタです。 時事ネタですが、いつもの感じです。 昨年から今年にかけてなんとなく各方面で妖怪関連のイベント・展覧会が増えている印象がある。 そのような印象を受けて、では、そういう展覧会は本当に増えているのか、増えているのであればどのく…

【妖怪メモ】鬼は日本に漂流してきた西洋人という俗説(1)

また、わが四国、九州地方には南洋インド諸島より漂泊して、深く山間に潜み、果実を食いて生活せし人種なしというべからず。もし人、偶然かかる異人種を発見することあらんには、また必ず怪物と見なすべし。 ◆井上円了『妖怪学講義』「第二 理学部門 第五講 …

【妖怪メモ】七つ娘

『米子の妖怪』(立花書院、2005年)に、次のようにある。 七つ娘 現在の米川橋ですなあ、あすこのとこに反対のところへ行くと中島の方へ行く土手をねえ、こっちに下がって来たとこに中島の方へ行く近道がある。避病院があってね、そこのところに近道があっ…

明治時代の幻の妖怪研究?−−今泉秀太郎「お化の話」(『一瓢雑話』より)

今年はなるべくブログを更新したい。というわけで、昨年にTwitterで少し言及してそのままになっていた小ネタ。 今泉秀太郎『一瓢雑話』(1901年)に「お化の話」というエッセイがある。>近代デジタルライブラリー - 一瓢雑話 http://kindai.ndl.go.jp/info:nd…

備忘録

備忘のためにメモ。 〔・・・前略・・・〕ここで重要なのは、幽霊に女が多いという場合、実際に出現したという「事柄の叙述」ではなく、絵画や歌舞伎の舞台などの「目に見える姿」に限定された問題だという点である。従って、このような問いを改める必要があ…