備忘録

 備忘のためにメモ。


〔・・・前略・・・〕ここで重要なのは、幽霊に女が多いという場合、実際に出現したという「事柄の叙述」ではなく、絵画や歌舞伎の舞台などの「目に見える姿」に限定された問題だという点である。従って、このような問いを改める必要がある。すなわち、「幽霊画や歌舞伎の幽霊は、なぜ女として描かれることが多いのか」と。「幽霊に女が多い」のではなく「女の幽霊が描かれることが多い」だけなのである。〔・・・後略・・・〕


田中貴子「女の幽霊・再考――「九相図」から「幽霊図」へ」『図書』第779号、岩波書店、2014年1月、19頁

 至言。

 この文章は近刊最終章のレジュメになっているらしい*1。刊行を心待ちにしたい。